藁とは、稲・小麦等などのイネ科植物の主に茎を乾燥させた物です。稲は稲わら、麦は麦わらと言います。
稲わらの稲はお米です。私たち日本人は古くからお米を糧として生きてきました。その起源は神話に見ることができます。神々がいる天上の高天原(たかまがはら)から天孫降臨する瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)に天照大御神は稲穂を授けて言いました。「私が高天原で育てた稲穂をあなたに与えましょう。国民の糧としなさい。」お米は生きていく糧であり、稲作を軸に日本人の生活や秩序が形づくられてきました。そして、豊穣を祈り、収穫に感謝することをカタチにしてきたのです。
現在、お正月によく目にする「しめ飾り」の原型が「しめ縄」です。わらを綯ってつくるしめ縄は注連縄、占縄、標縄など記し、神が占有する場所を示すものとされました。のちに結界や邪気を払う魔除けのような意味合いも含んでいき、現在も神聖性を示すものとして存在します。